2020/06/19 14:53

ジュエリーを創るということ
*一点モノ宝石のジュエリー編*
石に出会いに行く
惹かれ、手に取り、感じ、ハートが喜ぶ
そこから始まる
わたしの石の買い付けは、
いわゆる ”宝飾展” ではない
お行儀よく鎮座まします宝石が集まる、
恭しいような展示会ではない
どちらかと言うとヒッピーみたいなおじさんや、
ちょっとオタクっぽい人々が嬉々として集まる
鉱物ミネラルショーだ


そこで出会う石のディーラーさん達は自身で世界中を
周り、旅し、現地の人々から原石や石を買い付けてくる
そんな旅の話を聞かせてもらっているだけで
大体展示会の1日目が終わる
彼らは本当に石が大好きで、石を売って利益を得たい!と言うよりは、
石に出会った時の話、旅で美味しかった現地料理、面白い現地の人々、カルチャーショック
アクシデントや、発見、武勇伝をシェアする時が一番嬉々としている
そんなワクワクが私に直ぐに伝わってきて、大好きな絵本を読んでもらっている
子供のように、ジッとその話に聞き入る
石を拝見するのはそれからだ

ディーラーさんの机の後ろに座らせてもらい、全ての石をケースから取り出し、
ゆっくりじっくりと向き合う
直ぐに”この子!”と感じられる石もあれば、何度も見つめて手に取り決める子もいる
ともかく一日中 飲まず食わずでも全然大丈夫なくらい、石からも
ディーラーさんからもエネルギーを感じ、時間も吹っ飛び、石と向き合う
そうやって自分の元に来た石達をジュエリーにする
ルースの状態でお客様が一目惚れし、そこからデザインを相談して創り上げる事もあれば、
石をジッと見つめていると自然とその石にピッタリなデザインが浮かんできたりする
小宇宙そのものでそこに佇んでいるだけで完璧で何も手を加えず
そのまま数年ほど寝かせる石もある
(私は石のマニアではないので、自分の楽しみとして
 しばしば石を愛でるということはあまりしない)
それぞれが特別でそれぞれが美しく、ただ在る
石や自分の製作するジュエリーに意味づけをしたかった時期があったけれど、
なんだか空虚感やカッコつけている偽善を感じ、やめた
”ただ在る”、その美しさをそのままお客様が纏うことが出来るように
ちょっと仲介させて頂こう、そんな軽やかなスタンスでありたい
”その2”に続く
to be continued・・・